ダイレクトボンディング治療とは
コンボジットレジンと呼ばれる歯科用の強化プラスチック素材を多種類用いて、天然歯のような自然な色調や形態を再現する治療法です。
当院における
ダイレクトボンディング治療の特徴
- 歯を削る量が少ない
歯を削る量を必要最小限に抑えることができます。歯を削ることに抵抗がある方におすすめの治療法です。 - 自然な歯に近く再現できる
色調や透明感の異なる多種類のコンポジットレジンを使用し、自然な歯に近い仕上がりを実現できます。 - 変色しにくく、
二次むし歯のリスクが低い
保険適用のコンポジットレジンと比べて変色しにくい材料を用いています。
接着方法も現存する最適な材料、方法で行っているため保険治療と比べて隙間から細菌感染のリスクを減らし、二次むし歯の発生を抑えることができます。
保険適用の場合と自費の場合の違い
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使用するコンポジットレジンが異なります
保険適用のCR(以下保険CR)よりダイレクトボンディングはより自然な歯に近い仕上がりとなります。また耐久性も保険CRよりも強度が高く、摩耗しにくい材料を使用します。
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接着方法と接着剤が
異なります保険CRの場合、治療の時間効率を重視しワンステップで接着操作を行います。ダイレクトボンディングの場合、セレクティブエッチング(選択的リン酸処理)、プライミング(濡れ性向上)、ボンディング(接着硬化)とスリーステップで最大の強固な接着が得られるよう操作します。
また使用する接着剤も現存する接着剤の中でも最も接着力のあるものを使用しています。 -
ラバーダム防湿を使用します
ラバーダム防湿は、治療する歯だけをゴムのシートで覆い、唾液や呼気からの湿気を遮断することができます。レジンの接着力が向上し外れにくくなります。
細かい気泡が入りにくく、より自然な仕上がりになります。唾液による感染防止ができ、むし歯の再発リスクを減らすことができます。 -
マイクロスコープを使用します
歯の細部まで正確に観察し、むし歯のみを削ることできます。また細かな段差まで見逃さず見ることができるため審美性の高い精密な治療を行うことができます。
ダイレクトボンディング治療
のメリット・デメリット
メリット
- 歯を削る量が必要最小限
ダイレクトボンディングで詰めるときは、むし歯の部分のみを削るため、他の詰め物や被せ物治療に比べて、削る量が必要最小限ですみます。 - 自然な歯に近い仕上がりが
期待できる
ダイレクトボンディング治療は、歯の形を整えたり、正中離開を治したりすることもできます。 - 治療費を抑えることができる
セラミックでの修復治療や矯正治療に比べて、費用を抑えることができます。
デメリット
- セラミックと比べて耐久性に劣る
セラミックによる修復治療と比べると、吸水による材料の劣化がみられます。変色したり、欠けたり、摩耗してしまう可能性があります。
ダイレクトボンディングで治療した歯を長く綺麗に保つには、適切なセルフケアと定期的なメインテナンス(プロフェッショナルケア)を行うことが大切です。
咬み合わせやプラークコントロール、飲食物の嗜好などにより個人差はありますが、定期的なメインテナンス(再充填や再研磨)により、変色を改善することも可能です。 - 症例によって治療できない
非常に大きなむし歯や修復する範囲が広い場合難しいことがあります。
歯ぎしりや食いしばりが強い方、修復物の厚みを取れない場合は適応できない可能性があります。 - 歯科医師の技術力により
完成度が変わる
治療する歯に直接詰めていくため、歯科医師の技術によって仕上がりが大きく差が出ます。
また治療回数は少なくすみますが、細かく、歯を一から直接治していくため治療時間が長くなります。
ダイレクトボンディング
治療の流れ
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カウンセリング
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型取り(必要な場合)
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歯のクリーニングや
ホワイトニング -
ダイレクトボンディング
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最終仕上げ、メインテナンス
よくある質問
Q. 前歯のすき間をダイレクトボンディング治療で治せますか?
A. 前歯のすき間をダイレクトボンディングで修復することが可能です。
治療の範囲や咬み合わせの深さ、咬む力の強さによっては適応にならない場合があります。
Q. 欠けた歯をダイレクトボンディング
治療で治せますか?
A. 破折の程度によってダイレクトボンディングで治療可能な場合があります。
破折によって神経が露出してしまった場合、根管治療が必要となります。
Q. ダイレクトボンディングと一緒に
ホワイトニングもできますか?
A. 一緒に希望される場合は、ホワイトニングを行ってからダイレクトボンディングを行います。
ダイレクトボンディング、ホワイトニングは治療後に色が変化していきます。色の変化を予測することは困難なため、初めにホワイトニングし、色が落ち着いたタイミングでダイレクトボンディングし、最後に色調が合っているか最終チェックという流れで治療を行っていきます。
Q. ダイレクトボンディング治療はどのくらいの時間がかかりますか?
また、何回通院する必要がありますか?
A. ダイレクトボンディング治療は、最短で3回の通院が必要です。
1回目に口腔内診査、診断、カウンセリング、色合わせを行います。2回目にダイレクトボンディング治療を行います。3回目に治療後の色調変化や最終仕上げを行います。
より細かなカウンセリングが必要な場合や修復する歯の状態により型取りが必要な場合、追加で来院が必要になることがあります。
Q. ダイレクトボンディングで治療した
歯を将来セラミックで治すことはできますか?
A. ダイレクトボンディング治療後にセラミック修復治療を行うことは可能です。
ダイレクトボンディング治療は歯を削る量を最小限にできるため、その後セラミック修復治療を行う際に支障はありません。(逆の場合は耐久性や強度の問題で困難になる可能性があります)
ダイレクトボンディングは、セラミックと比べて耐久性や長期的な審美性が劣っています。しかし、経済的な理由や大きく歯を削るのに抵抗がある方は、ダイレクトボンディングでまず治療し、問題が再度生じた時に後でセラミックへ変更することも可能です。
Q. ダイレクトボンディングの
費用について教えてください。
A. 1窩洞につき20,000円(税別)。
歯の型取り、ダイレクト用コアの作成が必要な場合は40,000円(税別)頂戴しております。